その時、私達は学校の音楽室にいた。3年生の卒業式が無事終わり、部活が始まっていたのだ。
「じしん!!」
2年生の先輩が叫んだ。
楽器を吹いていたので、最初は気付かなかったが、揺れが大きくなるにつれ不安と恐怖でいっぱいになった。
揺れはどんどん大きくなる。今、宮城県沖地震が来てるのかと思った。
周りにあるものがどんどん倒れていった。大きくて重いドラムまでもが。
「大丈夫だから落ち着いて!」
部長さんが声をあげていた。私は椅子の下で止まれ、止まれ。そして大丈夫大丈夫と心の中で叫んでいた。
大きな揺れは長かった。
数分たって揺れが収まると、顧問の先生が駆けつけてきた。誰のか分からない上靴を履き、校庭へと飛び出した。外は寒かった。雪が降っていて気温も低かった。生徒が全員揃うと今度は体育館に避難した。
余震はずっと続いていて先輩が「大丈夫だよ」と何回も声をかけてくれた。うれしかった。すごくうれしくてがんばろうと思った。